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青木さん家の奥さん [本]

2月5日(水)
内藤裕敏『直樹さん家の奥さん』(冬芽社)読了。

青木さん家の奥さん

青木さん家の奥さん

  • 作者: 内藤 裕敬
  • 出版社/メーカー: 冬芽社
  • 発売日: 1993/03
  • メディア: 単行本


タケシは酒屋の新米店員。
店の裏でジャガイモの皮を剥いていると、先輩店員が次々とやってくる。
キクちゃん、二郎君、勝っちゃん、ヒロ君の4人。
4人は「自分が青木さんの家に行くんだ」と主張し、喧嘩になる。
タケシが止めて、事情を聞くと、何者かが青木さんの家の注文を書いた伝票を盗んだらしい。
なぜそれほど青木さんの家に行きたがるのか?
それは奥さんが美人だからだ。
タケシが思わず「自分が行きたい」と言うと、4人は猛烈に怒り出した……。

南河内万歳一座の内藤裕敏氏の戯曲。
エチュードで作った芝居で、前書きによれば、セリフは全部役者が考えたものらしい。
さらに前書きには、このまま上演しなくていい、上演する人がどんどん変えて構わないとあった。
僕もこの芝居を一度だけ見たことがある。
内藤氏が演出し、出演していた。
話の流れはほぼ同じだったが、セリフはまるきり違っていた。
つまり、この芝居には、店員4人がそれぞれ奥さんとの出会いを語るコーナー、青木さん家に行った時に守らなければいけないルールを語るコーナーなど、様々なコーナーがあり、そこで何も言うかは役者の自由なのだ。
それは見てる時に何となく気付いた。
内藤氏がまるでMCのように話をまとめて、次のコーナーに進めていた。
正直、ネタとしてキツいものもあったが、そういう時は短く切り上げて、次の人に回していた。
じゃ、ただの即興コント芝居かというと、そうでなはい。
芝居はタケシの長い独白で始まるが、終盤、そのセリフがもう一度出てくる。
それが、最初と最後で全く違う印象になるのだ。
この変化こそがこの芝居の醍醐味で、僕は見ながら総毛立った。
これはこの芝居を実際に見なければわからないと思う。
が、読むだけでも十分におもしろく、自分もやってみたいと思ってしまう。
間違いなく傑作。
お薦めです。

『青木さん家の奥さん』は1990年の初演で、その後、繰り返し再演されています。
1991年の3回目の上演では、生瀬勝久さん、六角精児さんが出演しています。
さらに、1992年春の3回目の上演では、同じく生瀬勝久さん、マキノノゾミさん。
1992年秋の4回目では、六角精児さん、マキノノゾミさん、
1993年の6回目では、渡辺えりさん。
今やっても十分におもしろいと思うので、若い力のある役者に挑戦してほしいです。
山崎彬君、玉置玲央君、一色洋平君あたりがやったら、凄いものができるんじゃないかな。
うーん、見てみたい!

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