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白夜 [映画]

8月31日(土)
ルキノ・ヴィスコンティ監督『白夜』(1957年)WOWOWで鑑賞。

白夜 【HDリマスター】 [DVD]

白夜 【HDリマスター】 [DVD]

  • 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
  • メディア: DVD


イタリアのある港町。
青年マリオ(マルチェロ・マストロヤンニ)はこの町に転勤してきたばかり。
上司の一家と遠出した帰り、町を散歩していると、運河の小橋で女(マリア・シェル)が泣いているのを見かける。
マリオは女を慰め、翌晩会う約束をして、家まで送る。
が、何気なく振り返ると、女はその家から出ていった。
女は嘘をついたのだ。
翌晩、マリオは女を待ち伏せし、なじる。
女はナタリアと名乗り、なぜ泣いていたかを語る。
ナタリアは1年前に別れた恋人(ジャン・マレー)を待っていたのだ……。

モノクロ映画。
ドストエフスキーの短編小説を、イタリアの巨匠ルキノ・ヴィスコンティが映画化。
全シーンがセットで、現実感はまるでない。
ヴィスコンティの映画は『若者のすべて』『ベニスに死す』『地獄に堕ちた勇者ども』『家族の肖像』『イノセント』と見てきたが、どうにも僕には響かない。
この映画も同様で、ただし、マルチェロ・マストロヤンニのマジメで陽気な青年役は珍しく、それだけは楽しめた。

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コリーニ事件 [本]

8月31日(土)
フェルディナント・フォン・シーラッハ『コリーニ事件』(東京創元社)読了。

コリーニ事件 (創元推理文庫)

コリーニ事件 (創元推理文庫)

  • 作者: フェルディナント・フォン・シーラッハ
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2017/12/11
  • メディア: 文庫


2001年、ドイツ、ベルリン。
カスパー・ライネンは弁護士になりたてで、殺人事件の裁判の被告の国選弁護人となった。
被告のファブリツィオ・マリア・コリーニは67歳のイタリア移民。
85歳のジャン=バプティスト・マイヤーの頭を銃で吹き飛ばし、さらに残った部分を何度も踏みつけた。
コリーニは犯行を認めたが、動機など、それ以外の証言を一切拒否した。
ライネンが弁護人になってすぐに、幼馴染みの姉のヨハナから電話がかかってくる。
被害者はライネンが少年の頃、さんざんお世話になった、マイヤー機械工業の元代表取締役、ハンス・マイヤーだった……。

予想通り、ナチス絡みの話だった。
シーラッハの祖父は、ナチ党全国青少年最高指導者バルドゥール・フォン・シーラッハ。
つまり、自分の祖父をモデルにした小説だった。
犯罪小説だが、謎解きの要素はほとんどなく、ナチスの戦争犯罪を裁く法律の不備を強く主張している。
と同時に、作者の祖父に対する思いも描かれている。
冷酷無比なナチ党幹部なのに孫には優しい。
人間はこの二つを両立させてしまう、とても不思議な生き物なのだ。

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ウンベルト・D [映画]

8月30日(金)
ヴィットリオ・デ・シーカ監督『ウンベルト・D』(1951年)GYAOで鑑賞。

ウンベルトD ヴィットーリオ・デ・シーカ Blu-ray

ウンベルトD ヴィットーリオ・デ・シーカ Blu-ray

  • 出版社/メーカー: アイ・ヴィ・シー
  • メディア: Blu-ray


イタリア。
ウンベルト(カロル・バッティスティ)は70歳、元官吏で、今は愛犬のフランクと年金生活。
しかし、年金が安すぎて、アパートの家賃が溜まり、追い出されようとしていた。
家主(リナ・ジェンナーリ)は催促を繰り返すが、小間使いのマリア(マリア・ピア・カジリオ)はいたわってくれた。
マリアは妊娠していて、家主にバレたら追い出されると言う。
ある日、ウンベルトは喉の痛みを感じて、慈善病院に入院する。
退院してアパートに帰ると、家主が勝手に改装を始めていた……。

モノクロ映画。
ヴィットリオ・デ・シーカはイタリア・ネオリアリズモを代表する監督。
代表作は『自転車泥棒』で、僕も泣きながら見た。
『自転車泥棒』は出演者全員が素人という、驚異的な作品。
『ウンベルト・D』も、ウンベルトは大学教授、マリアも町で見つけた素人らしい。
それなのにプロに遜色ない演技を見せる。
しかし、この映画の最大の功労者は、愛犬フランク。
彼の演技に二度泣かされた。
犬好きは断固見るべし!

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ダイヤルMを廻せ! [本]

8月30日(金)
フレデリック・ノット『ダイヤルMを廻せ!』(論創社)読了。

ダイヤルMを廻せ! (論創海外ミステリ211)

ダイヤルMを廻せ! (論創海外ミステリ211)

  • 作者: フレデリック・ノット
  • 出版社/メーカー: 論創社
  • 発売日: 2018/06/08
  • メディア: 単行本


ロンドン。
マーゴ・ウェンディスは夫のトニーと二人暮らし。
ある日、アメリカからやってきたテレビ脚本家のマックス・ハリディが家に訪ねてくる。
マーゴは以前、マックスと愛人関係にあった。
そのことをトニーにバラすという脅迫状が、マーゴに届いていた。
しかし、マックスにも心当たりはないと言う。
マーゴとマックスが観劇に出かけた後、トニーは家でレズゲイト大尉と会う。
そして、重大な仕事を依頼する……。

フレデリック・ノットは1916年生まれの、イギリスの脚本家。
『ダイヤルMを廻せ!』は1952年の初演で、ノットのデビュー作。
1954年に、アルフレッド・ヒッチコック監督が映画化。
僕はその映画は見ているが、非常に質の高いサスペンスだと思った。
ヒロインのグレース・ケリーが美しかった。
この本は舞台版の戯曲だが、あまりの完成度の高さに呆れ返った。
三谷幸喜氏が序文で、いかに演出するかを書いている。
巻末では、ライターの町田暁雄氏が40ページ近くにわたって、、『ダイヤルMを廻せ!』の歴史と、舞台版、映画版、ドラマ版の差異を解説している。
そうしたくなるのがわかるほどの傑作。
読んでよかったー!

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アロハ [映画]

8月29日(木)
キャメロン・クロウ監督『アロハ』(2015年)netflixで鑑賞。

ALOHA

ALOHA

  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2015
  • メディア: Blu-ray


ハワイ。
軍事コンサルタントのブライアン(ブラッドリー・クーパー)は大富豪カーソン(ビル・マーレイ)による軍事衛星打ち上げ計画を手伝うため、ハワイにやってくる。
空軍のパイロットのアリソン(エマ・ストーン)が、ブライアンのアシスタントとして空港で出迎える。
そこには偶然、軍人の夫の出迎えに、トレイシー(レイチェル・マクアダムス)が来ていた。
ブライアンは軍人としてハワイで生活していた頃、トレイシーと付き合っていた。
しかし、トレイシーは今は、12歳の女の子と11歳の男の子の母親だった。
カーソンは打ち上げ基地を作るため、先住民の土地を入手するように、ブライアンに命じていた。
ブライアンはアリソンとともに、先住民のリーダーの家に向かう……。

ブライアンはアリソンにもトレイシーにも引かれ、二人の間をウロウロする。
このどっちつかずの態度が、ラストの感動を減じてしまったのだと思う。
が、ブラッドリー・クーパーはそんな優柔不断な色男を愛嬌たっぷりに演じていた。
ブライアンの元上司として、大好きなアレック・ボールドウィンも出演していた。
期待通りの活躍で、うれしかった。
本国アメリカでは、ハワイが舞台なのに白人しか登場しないと激しく批判されたらしい。
「ホワイト・ウォッシュ」と言うのだそうだ。
そのせいか、豪華キャストにもかかわらず、ヒットしなかった。
まあ、話もイマイチだけど。

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デートクレンジング [本]

8月29日(木)
柚木麻子『デートクレンジング』(祥伝社)読了。

デートクレンジング

デートクレンジング

  • 作者: 柚木 麻子
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2018/04/11
  • メディア: 単行本


佐知子は35歳、3年前に結婚し、今は夫の実家の喫茶店「ミツ」で働きながら妊活中。
実花は佐知子の親友で、人目を引く美人で、アイドルを目指していたが、挫折。
アイドルオタクとなって、芸能プロダクションに就職。
アイドルグループ「デートクレンジング」のマネージャーとして活躍し、ファンから「マネミカ」と呼ばれて人気者になった。
が、グループが解散し、目標を失ってしまう。
そこでいきなり婚活を始めたが、美人なのに厄介な性格のため、なかなかうまく行かない。
実花を自分のアイドルとして応援していた佐知子も、実花に協力するが……。

柚木麻子氏の本はこれが17冊目。
「デートクレンジング」とは異性との交際を一定期間休むこと。
女は彼氏がいなきゃダメ、デートしなきゃダメ、可愛くなきゃダメ、という強迫観念を捨てろ、デートの呪いをを解け、とデートクレンジングは歌う。
しかし、若い女性には確実にタイムリミットがあり、常に時計に追い立てられている、と佐知子は訴える。
東京に住む30代の女性の恋愛、結婚、仕事の悩みがテーマの小説。
なかなか楽しめたが、テーマが少々強く出すぎた印象。

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ヘレディタリー [映画]

8月28日(水)
アリ・アスター監督『ヘレディタリー』(2018年)WOWOWで鑑賞。

Hereditary - Das Vermächtnis

Hereditary - Das Vermächtnis

  • 出版社/メーカー:
  • メディア: DVD


アニー・グラハム(トニ・コレット)は、夫スティーブ(ガブリエル・バーン)、息子ピーター(アレックス・ウォルフ)、娘チャーリー(ミリー・シャピロ)と4人暮らし。
祖母のエレンが亡くなり、おばあちゃん子だったチャーリーはすっかりふさぎ込んでしまう。
やがて、家の中で次々と不思議な現象が起き始める。
チャーリーも異常な行動を取り始める。
どうやらチャーリーは、エレンから何かを引き継いだらしい。
アニーはその何かを突き止めようと調べ始めるが……。

なかなか質の高いホラー映画。
トニ・コレットがすばらしい演技で恐怖感を煽る。
チャーリー役のミリー・シャピロの不気味さも尋常ではない。
しかし、『リグレッション』に続いて、またしても悪魔。
あちらでは悪魔がブームになっているのだろうか?
日本に悪魔はいないので、どうにも共感できない。
まじめに「悪魔はいる!」と言われても、困ってしまう。
結果、最後までノレなかった。
残念。

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光まで5分 [本]

8月28日(水)
桜木紫乃『光まで5分』(光文社)読了。

光まで5分

光まで5分

  • 作者: 桜木紫乃
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2018/12/13
  • メディア: 単行本


沖縄、那覇。
ツキヨは北海道東部出身で、38歳。
今は龍宮城という場末の売春宿で娼婦をしている。
歯痛に苦しんでいると、その日の客が「国際通りから小路に入って少し奥にブラックジャックがいる」と言った。
そこは赤いドアのバーで、万次郎という男がタトゥーショップをやっていた。
ちょうどヒロキという若者の背中に、モナ・リザを入れているところだった。
万次郎は元歯科医で、ツキヨの虫歯を抜いてくれた。
ツキヨはヒロキと仲良くなり、龍宮城を辞めて、その店の二階に転がり込んだ……。

桜木紫乃氏の本はこれが15冊目。
どん底の男女3人の共生を描く。
帯に「はきだめのメルヘン」というコピーが書いてあったが、的を射た表現だと思う。
ここには、恋愛でも友情でもない、しかし温かい関係が描かれている。
それにしても、万次郎はちょっとカッコよすぎないか?

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ブロウ [映画]

8月27日(火)
テッド・デミ監督『ブロウ』(2001年)netflixで鑑賞。

ブロウ [Blu-ray]

ブロウ [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
  • メディア: Blu-ray


1950年代、アメリカ、マサチューセッツ。
ジョージ・ユングは両親と3人暮らし。
父(レイ・リオッタ)は小さな会社の社長で、マジメで仕事熱心だが、会社は倒産。
一家は貧しい生活を余儀なくされる。
60年代、ジョージ(ジョニー・デップ)は友人とカリフォルニアに行き、マリファナの小売りを始める。
ビーチで大儲けするが、逮捕されて刑務所に。
ところが、そこで出会った男と出所後に組み、今度はコカインで大儲け。
仕事仲間の婚約者マーサ(ペネロペ・クルス)を妻にし、大邸宅に住む。
娘を溺愛して、カタギになると誓ったが……。

実話に基づいた映画。
ジョニー・デップは実在の麻薬王をまじめに演じていた。
ペネロペ・クルスは脇役に徹して、エゴイスティックな妻をくっきりと造型。
レイ・リオッタの実直な父親役がとても良かった。
愚かな主人公は悲惨な末路を迎えるが、ラストシーンは何とも切ない。
これだけでも、見てよかったと思った。

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野又穫作品集 [本]

8月27日(火)
野又穫『野又穫作品集』(東京書籍)読了。

Points of View - 視線の変遷 - 野又穫作品集

Points of View - 視線の変遷 - 野又穫作品集

  • 作者: 野又 穫
  • 出版社/メーカー: 東京書籍
  • 発売日: 2004/02
  • メディア: 大型本


画家・野又穫(のまたみのる)の作品集。

野又穫は1955年、東京都目黒区生まれ。
1979年、東京芸術大学美術学部デザイン科を卒業。
1995年、芸術選奨文部大臣新人賞受賞。
僕は以前、石田衣良氏の小説『ブルータワー』の表紙に野又氏の作品が使われているのを見て、凄い絵だなと感心した。
その作品も、この本の中に入っていた。
野又氏は描くのは、いつも架空の巨大建築物。
それが大空をバックに、大地の上に建っている。
そのすべてがひたすら美しい。
僕が特にすばらしいと思うのは、最上階に風車や翼のような物がついている建物。
それらは無意味な飾りでしかないはずなのに、その建物を吹き過ぎる風を感じさせる。
表紙の半円の建物もいい。
これなんか建物全部が無意味で、「こんな物あってたまるか!」なのに、大空にすっくと立つ姿はやはりとても美しい。
図書館で借りた本だが、本屋で買って、手元に置いておきたいと思った。
お薦めです。
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