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修道女たち [本]

7月20日(土)
ケラリーノ・サンドロヴィッチ『修道女たち』(白水社)読了。

修道女たち

修道女たち

  • 作者: ケラリーノ・サンドロヴィッチ
  • 出版社/メーカー: 白水社
  • 発売日: 2018/11/28
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


一世紀ほど前のヨーロッパのどこか。
6人の修道女が旅の支度をしている。
国王の弾圧が強まり、43人の修道女が殺されたが、残された6人は毎年恒例の巡礼を実行する。
行き先は田舎の山荘で、6人を迎えたのは頭の弱い娘オーネジーだった。
オーネジーは修道女の一人ニンニと親しく、自分も修道女になりたいと思っていた……。

ケラ氏の本を読むのは久しぶりで、これが3冊目。
帯に「マジックリアルな群像劇」とある通り、リアリズムの手法で描かれているが、現実ではない。
修道女たちが信仰しているのはキリスト教とは別の宗教で、「アーメン」のかわりに「ギッチョダ」と唱える。
不思議な物語。

今日は池袋あうるすぽっとへ行き、『春春(ボムボム)』という芝居を見てきましした。
一色洋平君が出演しているのです。
スズキ拓郎氏の演出による、韓国の昔話を題材にした、ファミリー向けのパフォーマンス。
2年前に韓国で上演したものの再演で、韓国の俳優も5人出演していました。
セリフはほとんどないので、問題ナシ。
一色君がソロで歌うシーンもあり,大活躍でした。
終演後、楽屋に行き、一色君に挨拶をしました。
今日が初日で、公演は7月28日(日)までです。

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死者のための音楽 [本]

7月19日(金)
山白朝子『死者のための音楽』(メディアファクトリー)読了。

死者のための音楽 (角川文庫)

死者のための音楽 (角川文庫)

  • 作者: 山白朝子
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/メディアファクトリー
  • 発売日: 2013/11/22
  • メディア: 単行本


中学生の「私」は、小説家の父と山の近くに住んでいた。
ある日、大きな黒い鳥が屋根に引っかかっていた。
父はその鳥を動物病院に連れていった。
鳥は翼の骨が折れていたので、家に置いておくことになった。
怪我は1カ月で治ったが、鳥は家に住み続けた。
3年後の冬休み、「私」が祖母の家に行っている間に、父が強盗に殺された。
鳥も姿を消していた…。

山白朝子氏の短編集で、上記は『鳥とファフロッキーズ現象について』。
「山白朝子」は乙一氏の別名義で、僕が読むのはこれが2冊目。
ミステリーのような、お伽話のような、不思議な話7編が収録されている。
僕は上記の『鳥とファフロッキーズ現象について』が一番気に入った。
「ファフロッキー現象」とは、空から異様な物が降ってくる現象のことらしい。
山白氏は、それと昔話の『鶴の恩返し』を組み合わせて、何とも魅力的な物語に仕立て上げた。
さすがである。

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カーテンコール! [本]

7月18日(木)
加納朋子『カーテンコール!』(新潮社)読了。

カーテンコール!

カーテンコール!

  • 作者: 加納 朋子
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2017/12/22
  • メディア: 単行本


萌木女学園はお嬢様学校として有名だったが、入学者が減り、4年前に廃校が決定。
最後の学年が卒業という時期に来て、困った事態が発生した。
10人の学生が、単位が足りず、卒業できなくなったのだ。
理事長の角田大造は、半年間の特別補講を決定し、10人を寮に集めた。
ここでのスパルタ授業に半年間耐え抜けば、卒業させると宣言。
筋金入りのぐーたら女子大生たちの、熱い日々が始まった……。

加納朋子氏の本はこれが24冊目。
ぐーたら女子大生たちは、様々な精神的病気を抱えていた。
加納氏は元々はミステリー作家だが、急性白血病から生還して以来、病気を題材にした小説を書くようになった。
この本も、ミステリーというより、心を病んだ女子大生たちの青春群像劇。
理事長の角田がすばらしい教育者で、彼のセリフがいちいち胸に染みた。

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少年とバイオリン [本]

7月17日(水)
滝一平『少年とバイオリン』(ヤマハミュージックメディア)読了

少年とバイオリン ~音楽の神様からの贈り物~

少年とバイオリン ~音楽の神様からの贈り物~

  • 作者: 滝一平
  • 出版社/メーカー: ヤマハミュージックメディア
  • 発売日: 2011/05/14
  • メディア: 単行本


太平洋戦争から数年後、福岡県博多。
馬場たかしは中学生で、母とバラックで二人暮らし。
駅前で靴磨きをして、家計を支えている。
たかしは小学5年の時、担任の松田先生からバイオリンを習い始める。
ところが、空襲で松田先生の住む下宿が焼け、先生は行方不明になった。
だから、今はバイオリンはやっていない。
ある日、楽器店で「ユーディ・メニューイン バイオリン演奏会」のポスターを見つける。
たかしはお金を貯めて、見に行こうと決意する……。

実話に基づいた話。
巻末に、馬場たかし氏とユーディ・メニューイン氏が写った写真が掲載されていた。
ユーディ・メニューインは1916年、ニューヨーク生まれ。
両親はユダヤ系ロシア人の宝石商。
7歳でバイオリニストとしてデビューし、10歳でヨーロッパツアーを成功させ、「神童」の名をほしいままにする。
1985年、イギリスに帰化して、サーの称号とメニューイン男爵の名を得る。
日本には1951年から1995年までの間に5回来て、コンサートを行った。
1999年、82歳で死去。
クラシックでは有名な人らしいが、僕は全く知らなかった。
僕は楽器は何も弾けないが、バイオリンとサックスは演奏できたらいいなと思う。
だって、カッコいいんだもの。

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はんぷくするもの [本]

7月16日(火)
日上秀之『はんぷくするもの』(河出書房新社)読了。

はんぷくするもの

はんぷくするもの

  • 作者: 日上秀之
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2018/11/15
  • メディア: 単行本


毅(つよし)は30代で、独身。
5年前からプレハブの仮設店舗で食品を売り、親戚から借りた見なし仮設住居で母親と暮らしている。
周囲に人は戻らず、客は1日5人程度。
母親は店を畳んで引っ越そうと言うが、毅は踏ん切りがつかない。
90歳の風峰さんは歩行が困難で、近所にある毅の店を頼りにしている。
ツケ買いをする古木さんは、溜まった3413円をなかなか払ってくれない。
小学校の同級生の武田は、スーパーで万引きした品物を、ここで売れと持ってくる……。

第55回文藝賞受賞作。
具体的な地名はないが、震災で住居兼店舗を潰された家族の生活を描く。
周りに人がいないので、事件らしい事件は何も起きない。
風峰さん、古きさん、武田との交流のみ。
ただ無為な1日が反復するだけ。
これが現実なのかもしれないが、読んでいて虚しくなるばかりだった。

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百瀬義行スタジオジブリワークス [本]

7月15日(月)
百瀬義行『百瀬義行スタジオジブリワークス』(一迅社)読了。

スタジオジブリのスタッフとして、主に高畑勲監督の作品で活躍してきた百瀬義行の仕事を振り返る。

百瀬義行氏は1953年生まれ。
関わった作品と担当した仕事は以下の通り。
「タイガーマスク」(1969年)動画
「アタックNo1」(1969年)動画
「天才バカボン」(1971年)動画
「ど根性ガエル」(1972年)原画
「ペリーヌ物語」(1978年)作画監督
「火垂るの墓」(1988年) レイアウト・作画監督補
「おもひでぽろぽろ」(1991年)場面設計・絵コンテ
「紅の豚」(1992年)原画
「平成狸合戦ぽんぽこ」(1994年)イメージビルディング・画面構成
「On Your Mark」(1995年)原画
「耳をすませば」(1995年)原画
「もののけ姫」(1997年)CG制作
「ホーホケキョ となりの山田くん」(1999年)絵コンテ・場面構成・演出
「千と千尋の神隠し」(2001年)原画
「ギブリーズ episode2」(2002年)脚本・監督
「ゲド戦記」(2006年)原画
「かぐや姫の物語」2013年)特任シーン設計
高畑勲氏の右腕的存在であり、ジブリがCGを導入する際にリーダー的役割を果たした人物。
それにしても、僕は1969年の「タイガーマスク」から、この人の絵を見ていたことを、この本で初めて知った。
「ありがとうございました」と言いたい。
この本の映像が見つからなかったので、大好きな『ペリーヌ物語』の写真を載せます。

ペリーヌ物語 ファミリーセレクションDVDボックス

ペリーヌ物語 ファミリーセレクションDVDボックス

  • 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
  • 発売日: 2012/12/20
  • メディア: DVD



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ファーストラヴ [本]

7月14日(日)
島本理生『ファーストラヴ』(文藝春秋)読了。

ファーストラヴ

ファーストラヴ

  • 作者: 島本 理生
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2018/05/31
  • メディア: 単行本


真壁由紀は臨床心理士で、夫の我門、息子の政親と3人暮らし。
父親を殺して逮捕された聖山環菜からの依頼で、彼女にインタビューして、本を書くことになる。
我門の弟で、環菜の弁護士の迦葉(かしょう)と協力して、インタビューを開始する。
環菜が殺した父親の那雄人は画家だった。
環菜は幼い頃から、父親の経営する画塾でモデルをつとめていた。
由紀は画塾に参加していた人々に、当時の様子を聞いて回るが……。

島本理生氏の本はこれが22冊目。
由紀と迦葉の過去と、環菜の半生を通して、人と人が深く結びつくことの困難さを描く。
臨床心理士という職業の実態を知ることができて、とてもタメになった。
全体的にミステリータッチで、後半は裁判が始まり、リーガルセスペンスになる。
島本氏の新しい挑戦、成功だと思う。

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バック・ステージ [本]

7月13日(土)
芦沢央『バック・ステージ』(角川書店)読了。

バック・ステージ

バック・ステージ

  • 作者: 芦沢 央
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2017/08/31
  • メディア: 単行本


松尾が忘れ物に気付いて会社に戻ると、先輩の康子さんが上司の澤口のデスクを探っていた。
澤口は取引先からバックマージンを受け取っていて、康子さんはその尻尾を掴むため、証拠の品を探していたのだ。
結局、証拠は発見できず、康子さんは松尾に、「明日、付き合え」と言う。
翌日、待ち合わせの場所に行ってみると、女子高生に変装した康子さんがいた。
松尾と康子さんは澤口の娘が通う保育園に向かう……。

この本を読むのは2回目。
タイトル通りのバックステージもので、中野大劇場ホールで行われる、嶋田ソウ演出の公演の周囲で起きた6つの出来事が描かれる。
実はこの本の文庫版の解説を依頼されたため、『悪いものが、来ませんように』『火のないところに煙は』『今だけのあの子』『バック・ステージ』と、芦沢央氏の本を4冊続けて読んでみた。
まだ若いのに非常に巧みな作家で、どの本も感心させられた。
特に『バック・ステージ』では演劇の世界が描かれているため、他の本より楽しむことができた。
嶋田ソウのモデルは蜷川幸雄さん? 野田秀樹さん? 北村想さん?と考えるのもおもしろかった。
文庫が発売されたら、ぜひ買って読んでください。
お薦めです。

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今だけのあの子 [本]

7月12日(金)
芦沢央『今だけのあの子』(創元推理文庫)読了。

今だけのあの子 (創元推理文庫)

今だけのあの子 (創元推理文庫)

  • 作者: 芦沢 央
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2017/04/12
  • メディア: 文庫


恵は夫の拓磨と二人暮らし。
大学時代の写真サークルの友達から、彩音の結婚式の準備をしようというメールを受け取り、愕然とする。
恵には式への招待状が届いていなかった。
自分は彩音の一番の親友だと思っていたのに。
その上、夫のケータイに、彩音からのメールがあった!
まさか二人は不倫?
恵は招待状が届いているフリをして、式の当日、サークルの友達の集まりに行く。
式をぶち壊しにするために。

この本を読むのは2回目。
女性の友情をテーマにした短編5つを収録した短編集。
非常に質の高い短編集で、再読でもその印象は変わらなかった。
どれもいいが、僕は4つ目の『願わない少女』が一番好き。
この本の英語題名は『BEST FRIENDS FOR NOW』。
恐ろしい言葉だが、現実だと思う。

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悪いものが、来ませんように [本]

7月11日(木)
芦沢央『悪いものが、来ませんように』(角川文庫)読了。

悪いものが、来ませんように (角川文庫)

悪いものが、来ませんように (角川文庫)

  • 作者: 芦沢 央
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2016/08/25
  • メディア: 文庫


助産院で働く紗英は、地銀に勤める夫・大志と二人暮らし。
紗英はそろそろ子供がほしいと思っているが、大志はどうやら浮気しているらしい。
奈津子は専業主婦で、美容専門学校に通っている頃、夫・貴雄と出会い、妊娠により中退して結婚した。
紗英の味方は奈津子ただ一人だった……。

芦沢央氏の本はこれが9冊目。
デビューから2作目で、タイトルはホラーっぽいが、ジャンルとしてはミステリー、さらに細かく言えば心理サスペンスということになるだろう。
『今だけのあの子』の路線で、こちらは長編。
予想はしていたが、またしてもラストにとんでもないどんでん返しが待っていた。
結果はまたしても予想外で、唖然呆然。
しかし、何とも陰惨な話で、イヤミス一歩手前という感じ。
気持ちよく騙されたい方はぜひ。

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