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フーガとユーガ [本]

4月18日(木)
伊坂幸太郎『フーガとユーガ』(実業之日本社)読了。

フーガはユーガ

フーガはユーガ

  • 作者: 伊坂 幸太郎
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2018/11/08
  • メディア: 単行本


優我と風我は双子の兄弟で、両親と4人暮らし。
父が理不尽な暴力を振るうため、兄弟助け合って生きている。
二人には特殊能力があった。
毎年誕生日になると、2時間おきに、たとえどんなに遠くにいても、瞬間移動で入れ代わるのだ。
二人は毎年、実験を繰り返し、この能力の有効利用を思いつく……。

伊坂幸太郎氏の本はこれが38冊目。
奇抜なアイディア、センスのあるユーモア、リズミカルな文章。
相変わらず快調で、うれしい限り。
しかし、この小説に出てくる悪人は吐き気がするほどイヤなヤツで、何もここまでしなくてもとは思った。
アゴタ・クリストフの『悪童日記』を思い出した。

キャラメルボックス2019『ナツヤスミ語辞典』の稽古2日目。
15時から第一回美術会議。
今回の舞台美術は、俳優教室でいつもお世話になっている稲田美智子さん。
稲田さんには俳優教室の卒業公演の『ナツヤスミ語辞典』をやっていただき、それがとてもよかったので、一昨年の東京放送芸術&映画俳優専門学校スペシャル公演の『ナツヤスミ語辞典』もお願いしました。
で、さらに今回も、となったわけです。
基本的なプランは俳優教室の時のままで、それを俳優座劇場に合わせて修正していただくことになりました。
とても素敵な美術なので、たくさんの人に見てほしいです。
17時から、稽古。
今日はダンスの振付で、2003年の再々演の時、川崎悦子先生に振り着けていただいたものを、岡内美喜子に振り起こししてもらいました。
で、2時間で一気に振付!
みんなまだまだ粗いけど、何とか通して踊れるようになりました。
その後は1場の立ち稽古。
こちらも岡内がテンションを上げてガンガンやってくれました。
まさに今日は岡内デイ!
役者をやるのは久しぶりなのに、全く衰えを感じさせない元気さで、中学生たちを引っ張ってくれました。
岡内の「ミドリ先生」、ご期待ください。

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百鬼園随筆 [本]

4月17日(水)
内田百間『百鬼園随筆』(新潮文庫)。

百鬼園随筆 (新潮文庫)

百鬼園随筆 (新潮文庫)

  • 作者: 内田 百けん
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2002/04/25
  • メディア: 文庫


夏目漱石の弟子で、小説家・エッセイストの内田百間の第一随筆集。

内田百間の「間」の字は、門構えに「月」が正しいが、僕のパソコンでは出せないので、門構えに「日」で代用している。
本名は内田栄造で、1889年、岡山県岡山市生まれ。
東京大学独文科に入学し、夏目漱石に私淑。
卒業後は、陸軍士官学校、海軍機関学校、法政大学で、ドイツ語教授を歴任。
1934年に教職を辞し、作家専業となる。
小説家よりエッセイストとして有名で、この本は昭和8年に出版され、ベストセラーとなり、日本にエッセイブームを巻き起こした。
特徴はその独特な諧謔味で、自身の借金生活を自虐的に描き、また自身をモデルにした、頑固でいい加減なドイツ語教師「百鬼園」の言行を小説スタイルで描く。
あまりにも有名な本なので、僕も読んでみたが、確かにおもしろく、「百鬼園」など、『我輩は猫である』の珍野苦沙弥先生を思い出した。
しかし、借金の話が多いのにはちょっと閉口。

昨日は日帰りで、名古屋西高校表現芸術コースの授業に行ってきました。
今年から開設されたコースで、2年生19人(うち1人は欠席)が対象。
助手の大滝真実とともに、2コマ、教えました。
メニューはシアターゲーム、発声練習、二人語り。
その後、演劇部で2時間半、ワークショップ。
こちらのメニューは台本練習のみで、テキストは『無伴奏ソナタ』1場。
高校生たちはみんな元気で、どのメニューにも積極的に取り組んでくれました。
日帰りで東京・名古屋を往復し、合計4時間以上の授業・ワークショップ、というのは初体験で、帰宅後はバタンキュー。
しかし、とても楽しい1日でした。

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おらおらでひとりいぐも [本]

4月16日(火)
若竹千佐子『おらおよでひとりいぐも』(河出書房新社)読了。

おらおらでひとりいぐも 第158回芥川賞受賞

おらおらでひとりいぐも 第158回芥川賞受賞

  • 作者: 若竹千佐子
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2017/11/16
  • メディア: 単行本


東京。
桃子さんは74歳。
東北生まれで、昭和39年、東京オリンピックの年に、結婚式の直前に家出して、上京。
同じ東北生まれで美男子の周造と結婚し、二人の子供を産んだ。
が、周造は死に、子供たちとも疎遠になった。
今は古いアパートで独り暮らしをしながら、ボーッとしている。
頭の中には、50年使わなかった東北弁が渦巻いている……。

芥川賞受賞作。
東北弁を駆使した、老女の妄想小説。
桃子さんの行動は亡き夫の墓参りに行くことだけで、それ以外はひたすら東北弁で思考している。
思弁小説と言ってもいいくらいで、それなのに読んでいた退屈しないのは、ひとえに東北弁のせいだろう。
タイトルから宮沢賢治との関連を予想したが、それは全くなかった。
芥川賞審査員の選評は絶賛の嵐。
63歳の新人作家の快挙。

今日は名古屋西高校のワークショップで、名古屋に行きます。
1210から開始なので、もう家を出なければなりません。
授業を2コマやった後、演劇部の練習にも参加します。
どんな子たちと出会えるか、とっても楽しみ。
それでは行ってきます!

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野鴨 [本]

4月15日(月)
ヘンリック・イプセン『野鴨』(岩波文庫)読了。

野鴨 (岩波文庫)

野鴨 (岩波文庫)

  • 作者: イプセン
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1996/05/16
  • メディア: 文庫


19世紀末、ノルウェー。
豪商ホーコン・ヴェルレの屋敷でパーティが開かれている。
山の工場で働いていた息子のグレーゲルス・ヴェルレも、15年ぶりに屋敷に戻り、パーティに出席していた。
グレーゲルスの招待で、幼馴染みの写真師ヤルマール・エクダルも来ていた。
グレーゲルスはヤルマールが結婚していること、その妻が以前屋敷で家政婦として働いていたギーナであること、仲を取り持ったのは父ホーコンであることを知って驚く。
ホーコンはかつてギーナを愛人にしていた。
そのことを隠して、ヤルマールに押しつけたのだ……。

1884年に出版された戯曲。
出版当初はきわめて評判が悪く、イプセンの親友でライバルのビョルンソンは「吐き気を催す作品」と断じた。
1885年、ベルゲンのノルウェー劇場で初演された。
同年、クリスチャニア(オスロ)、ヘルシンキ、コペンハーゲンでも上演された。
僕はビョルンソンに同感で、この作品のラストは許しがたい。
絶対に死ぬべきではない人が死ぬからである。

今日は10時から、キャラメルボックス俳優教室の授業です。
ワークショップは短期間で終わってしまうので、受講者の成長を見届けることはなかなかできません。
が、俳優教室は9カ間続く。
当然、生徒は成長するし、もししなければ、それは本人だけでなく、教える講師側の失敗でもある。
17期生の14人、何が何でも成長させます。
頑張ります。
それでは行ってきます。

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ヘミングウェイごっこ [本]

4月13日(日)
ジョー・ホールドマン『ヘミングウェイごっこ』(ハヤカワ文庫)読了。

ヘミングウェイごっこ (ハヤカワ文庫SF)

ヘミングウェイごっこ (ハヤカワ文庫SF)

  • 作者: ジョー ホールドマン
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2009/02/01
  • メディア: 文庫


アメリカ、フロリダ、キーウェスト。
ジョン・ベアドは50代のボストン大学英文学部准教授で、ヘミングウェイの研究者。
酒場で怪しげな男シルヴェスター・キャッスルメインと一緒に飲むうちに、ヘミングウェイが1922年に遭遇した事件の話になる。
当時の恋人ハドリー・リチャードスンが、ヘミングウェイから預かった原稿を紛失したのだ。
キャッスルはジョンに、原稿の偽造を持ちかける。
ジョンは断り、フラットに戻り、17歳年下の妻リナに、酒場での出来事を話す。
すると、リナはキャッスルの提案に賛成した!
かくしてジョンは贋作の執筆を開始するが、ある日、彼の前に、亡くなったはずのヘミングウェイ本人がやってきた!

ジョー・ホールドマンは1943年、オクラホマシティ生まれ。
メーリーランド大学で物理学と天文学を専攻。
アイオワ大学で文学修士号を取得。
1967年、ヴェトナム戦争に従軍し、重傷を負う。
1969年、SF作家としてデビュー。
1974年、『終わりなき戦い』でヒューゴー賞とネビュラ賞のダブルクラウンを達成。
1991年、『ヘミングウェイごっこ』で二度目のダブルクラウン。
1998年、『終わりなき平和』で三度目のダブルクラウン。
やけにヘミングウェイに詳しいと思ったら、この人、SF作家と並行して、アマチュアのヘミングウェイ研究家としても活動しているらしい。
ジョンはヘミングウェイに贋作の執筆を止められ、拒絶し、殺され、別の並行世界に移動する。
が、それでも執筆をやめようとしない。
で、また殺される。
主人公がヘミングウェイに何度も殺される、というアイディアが、実に奇抜でおもしろい。
しかも、主人公の設定は、ほぼ作者のまんまらしい。
この自虐的ユーモア、素敵だと思う。
お薦めです。

アメリカにおけるヘミングウェイの愛され方は異常で、日本で言えば、宮沢賢治や太宰治に近いと思う。
先日DVDで見た『ロング、ロング・バケーション』という映画も、老ヘミングウェイ研究者が妻とキーウェストへ行く話だった。
キーウェストのヘミングウェイ記念館は賑やかな観光施設だった。
ヘミングウェイ、僕も大分前に10冊ほど読んだが、あまりおもしろさがわからなかった。
が、『ヘミングウェイごっこ』の中で主人公が書く贋作小説は、まぎれもなくヘミングウェイ調だった。
やはりそれだけ際立った個性があるのだ。
また読み返してみようかな、と思った。

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幽霊 [本]

4月13日(土)
ヘンリック・イプセン『幽霊』(岩波文庫)読了。

幽霊 (岩波文庫)

幽霊 (岩波文庫)

  • 作者: イプセン
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1996/06/17
  • メディア: 文庫


19世紀末、ノルウェー。
ヘレーネ・アルヴィングは、陸軍大尉で国王侍従だった故アルヴィングの未亡人。
牧師のマンデルスの協力で孤児院を設立し、そこに亡き夫の銅像を建立しようとしている。
記念式典の数日前、息子で画家のオスヴァルが、海外から屋敷に帰ってくる。
何もかもが順調に見えたが、未亡人にはひた隠しにしている事実があった……。

1881年に出版された戯曲。
と同時に、全北欧で非難攻撃の大旋風を巻き起こしたらしい。
後半を読めば、その理由はよくわかる。
オスヴァルが隠していた事実が明らかになるのだが、今ならまだしも、19世紀にこんな芝居を書いてしまったら、大騒ぎになるのは当然だ。
世界初演は1882年、アメリカのシカゴ。
北欧での初演は1883年、スウェーデン。
ノルウェーではなかったというのが驚き。
138年も前の戯曲なのに、あまりにも読みやすくて、またビックリ。
だからこそ、今でも上演され続けているのだろう。

キャラメルボックス2019『ナツヤスミ語辞典』のチラシ、デザイナーの垣内君が4種類作ってくれたので、劇団員全員にどれがいいか投票してもらいました。
仮にA案、B案、C案、D案とすると、A案が他の3つを大きく引き離して、第一位を獲得。
僕はB案がいいと思ったのに、僕を含めて2票しか入りませんでした。
悔しい!
というわけで、チラシデザインは最多得票のA案に決定!
まもなく公開されると思います。
お楽しみに!

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この謎が解けるか?(2) [本]

4月13日(土)
鮎川哲也『この謎が解けるか?(2)』(芸術出版社)読了。

この謎が解けるか?―鮎川哲也からの挑戦状!〈2〉

この謎が解けるか?―鮎川哲也からの挑戦状!〈2〉

  • 作者: 鮎川 哲也
  • 出版社/メーカー: 出版芸術社
  • 発売日: 2012/04/01
  • メディア: 単行本


1957年11月から63年3月まで、NHKで放送された人気番組『私だけが知っている』は、30分の推理ドラマ。
この番組に、ミステリー作家の鮎川哲也は30本の脚本を書き下ろしている。
そのうちの7本を収録したシリーズの第二作。

この番組は生放送だったらしい。
ドラマがスタジオで生で上演された後、それを見ていたレギュラーの探偵局のメンバーが犯人を当てる。
しかし、時には、キーとなるセリフを役者が忘れて、口にしないこともあった。
解答に対して、探偵局のメンバーが「そんなセリフ、言わなかったじゃないか!」と文句をつけた。
そっちの方がコントみたいで、実におかしい。
残念なことに、当時の映像は残ってない。
こういう番組、今やってもおもしろい気がするが、当然、録画になるだろうな。

今日も自宅で作業。
『ナツヤスミ語辞典』のテキストレジが終わったので、次は来年2月の仕事の準備。
こっちは1週間ほどかかる予定です。
来週水曜から『ナツヤスミ語辞典』の稽古が始まりますが、それと並行してやっていくつもりです。
この仕事の情報公開は半年以上先になると思います。
お楽しみに!

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か「」く「」し「」ご「」と「 [本]

4月12日(金)
住野よる『か「」く「」し「」ご「」と「』(新潮社)読了。

か「」く「」し「」ご「」と「

か「」く「」し「」ご「」と「

  • 作者: 住野 よる
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2017/03/22
  • メディア: 単行本


「僕」は高校2年。
同じクラスのヅカ(男子)、ミッキー(女子)、パラ(女子)と仲がいい。
4月の頃、隣の席だった宮里さんが不登校になったことが少し気になっている。
自分が何かしてしまったのではないかと。
「僕」は最近、ミッキーのシャンプーが変わったことが、髪の匂いでわかった。
でも、それが口に出せない……。

5人の仲良しの高校生たちを描く、連作短編集。
全5話で、それぞれが別々の主人公。
実は5人とも特殊な能力を持っているが、自分だけの秘密にしている。
それがみんなよく似ていて、要するに他人の心が見えるというもの。
ある者は記号で見え、ある者は矢印で見える。
が、それが物語の重要な要素にはなっていない。
あくまでも、高校生たちの繊細な心情を丁寧に丁寧に描いていく。
それにしても、今の高校生はこんなにも回りの人間のことを気にして生きているのかと呆れた。
これでは生き辛いに決まってる。
他人に優しいこと、思いやりがあることは本当にすばらしいが、それで自分が苦しむのはさすがに行き過ぎだろう。
若い人たちに少し同情してしまった。

『ナツヤスミ語辞典』2003年版のビデオの後半を見ました。
改めて、この作品の音楽はすばらしいと思いました。
選曲はほぼ、1989年の初演から替わっていません。
元はカナダの「ナラダ」というレーベルから出ているアルバム数枚から選んで使っていましたが、2003年の再演の時、同じ曲を日本人のミュージシャンたちに演奏してもらって、録音し直しました。
どれも名曲で、瑞々しさと切なさに溢れています。
今回の再演でも、曲は一切変えないつもりです。
変えるもんですか!

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この謎が解けるか?(1) [本]

4月11日(木)
鮎川哲也『この謎が解けるか?(1)』(出版芸術社)読了。

この謎が解けるか?: 鮎川哲也からの挑戦状! 1

この謎が解けるか?: 鮎川哲也からの挑戦状! 1

  • 作者: 鮎川哲也
  • 出版社/メーカー: 出版芸術社
  • 発売日: 2012/02/22
  • メディア: 単行本


1957年11月から63年3月まで、NHKで放送された人気番組『私だけが知っている』は、30分の推理ドラマ。
この番組に、ミステリー作家の鮎川哲也は30本の脚本を書き下ろしている。
そのうちの7本を収録した本。

昭和30年代に松本清張が登場し、いわゆる「社会派推理小説」が大人気となった。
それまで主流だった、謎解き主体の「探偵小説」は低迷。
しかし、鮎川哲也、土屋隆夫、都築道夫、泡坂妻夫らは「探偵小説」を書き続けた。
1980年代後半、島田荘司らによって、新本格ミステリーがブームとなった。
新本格の作家たちは、鮎川らを本格と呼び、強くリスペクト。
その筆頭、新本格の作家たちのカリスマ的存在が、鮎川哲也だった。
『私だけが知っている』は、純粋に謎解きを楽しむ番組。
たった30分の物語なので、あくまでもパズルであって、ドラマではない。
が、意外と複雑で、簡単には解けない。
さすがは鮎川哲也、と感心しました。

僕がミステリーを読み始めたのは小学4年、昭和46年。
社会派推理小説の全盛期でした。
小学校時代はポプラ社の少年探偵団、ルパン、ホームズを読みましたが、中学からは松本清張、高木彬光、森村誠一を読み漁りました。
高校からは純文学に関心が移り、太宰治、坂口安吾、安部公房、大江健三郎を読んだので、その後のミステリー界の動きは知りませんでした。
新本格の登場にも気づきませんでした。
再びミステリーを読むようになったのは、宮部みゆきさんや東野圭吾さんがブームになったあたりから。
本格や新本格を読む始めたのは、その後です。
鮎川哲也の小説もまだ4、5冊しか読んでない。
これから勉強しようと思っています。
まだ手遅れではないと思うので。

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倒叙の四季 [本]

4月11日(木)
深水黎一郎『倒叙の四季』(講談社文庫)読了。

倒叙の四季 破られた完全犯罪 (講談社文庫)

倒叙の四季 破られた完全犯罪 (講談社文庫)

  • 作者: 深水 黎一郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2019/03/15
  • メディア: 文庫


「俺」は佐藤薫子の首にロープを巻き付け、強く締め上げた。
そして、椅子に乗り、薫子に背中を向けて、ロープを背負い投げの格好で引っ張り上げた。
薫子は完全に動きを止めた。
「俺」はロープを鴨居に掛けて、薫子の体を吊り上げた。
これで、警察は首吊り自殺と判断するはずだ。
父の後を継いで国会議員になる「俺」にとって、5つ上の恋人は邪魔でしかない。
3日後、自宅に刑事が2人、訪ねてきた。
警視庁捜査一課の海埜(うんの)と館林と名乗った……。

犯人の視点から描く倒叙スタイルのミステリーの短編4つを収録した短編集で、上記は一つ目の『春は縊殺(いさつ) やうやう白くなりゆく顔いろ』。
どれも前半を読む限りは、完全犯罪が成立しそうに思えるのだが、後半登場する海埜に必ず真相を暴かれてしまう。
海埜はまるでコロンボか古畑任三郎のようだが、あれほど個性は強くない。
そのためか、4つ目の『冬は中毒殺 雪の降りたるは言ふべきにもあらず』で、深水氏のミステリー小説のレギュラーである「芸術探偵・神泉寺瞬一郎」が登場する。
まさに「待ってました!」って感じ。
というわけで、なかなか楽しめました。

キャラメルボックス2019『ナツヤスミ語辞典』のチラシのデザイン案が届きました。
夏らしいすっきりと爽やかな雰囲気のチラシになりそうです。
テキストレジは何とか今日中に完成させたいと思っています。
やはり110~115分になりそうです。
それでは作業を再開します。

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