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頭のうちどころが悪かった熊の話 [本]

2月20日(水)
安東みきえ『頭のうちどころが悪かった熊の話』(理論社)読了。

頭のうちどころが悪かった熊の話 (新潮文庫)

頭のうちどころが悪かった熊の話 (新潮文庫)

  • 作者: 安東 みきえ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2011/11/28
  • メディア: 文庫


童話作家の安東みきえの短編集。
動物を主人公にした7つの童話を収録。

読み始めてから、前にも一度読んでいたことに気付いた。
大人向けの童話で、話は限りなくナンセンスに近い。
が、この本のキャッチフレーズは、「人生について考える7つの動物寓話」。
たとえば『ないものねだりのカラス』は、主人公のカラスが、2本の木の枝が重なり合ってできた隙間をシラサギだと思い込み、友達になりたいと願う。
他のカラスにバカにされても、彼の心は変わらない。
その隙間の前に何日も立ち続け、ついに命が尽きようとし時、シラサギの翼がカラスの体を包み込む。
2羽は幸せに暮らす。
が、ある日、カラスは別の木々の隙間をカササギと思い込み始めるのだ。
タイトルと言い、話の中身と言い、なかなかセンスがよいと思う。

今日は久しぶりに新中野の稽古場へ行きます。
キャラメルボックス2019スプリングツアー『スロウハイツの神様』の第一回美術会議。
ついに、『スロウハイツの神様』が動き出すのです。
稽古は来週の月曜から。
その前に、美術の方向性を決めてしまおうというわけ。
決まるといいんですけど。
それでは行ってきます。

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学校へ行けなかった私が「あの花」「ここさけ」を書くまで [本]

2月19日(火)
岡田麿里『学校へ行けなかった私が「あの花」「ここさけ」を書くまで』(文藝春秋)読了。

学校へ行けなかった私が「あの花」「ここさけ」を書くまで

学校へ行けなかった私が「あの花」「ここさけ」を書くまで

  • 作者: 岡田 麿里
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2017/04/12
  • メディア: 単行本


アニメ脚本家の岡田麿里が、自身の生い立ちと作品を語る。

岡田麿里氏は1976年、埼玉県秩父市生まれ。
小学校高学年から不登校、引きこもりとなる。
高校を卒業後、ゲームの専門学校に進むが、脚本家になることを決意。
1997年、Vシネマの脚本でデビュー。
2011年、『あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない』が大ヒット。
2015年、『心が叫びたがってるんだ』が大ヒット。
この本を読んで、『あの花』が、岡田氏の実体験に基づいていることがよくわかった。
だからあんなにもセリフがリアルなのだ。
が、同時に、僕とは方向性というか、センスが全く異なることもよくわかった。
僕はここまでナイーブではない。
僕らの世代はもっと粗野で鈍感なのだ。
こんなにナイーブでは、この世の中はさぞかし生き辛いだろうと思う。
が、そんな岡田氏の脚本が大ヒットしている。
たくさんの若者たちが共感している。
今の若者たちの心情を理解する上で、とても参考になった。

手塚治虫『ブラックシャック』第3巻・第4巻を読みました。
1960年代、テレビアニメに乗り出した手塚治虫氏は、同時並行でマンガの連載も続けていたものの、劇画ブームにより、人気が低迷。
僕がマンガを読み出した1971年にはすっかりご隠居さんになっていた。
が、1973年に『ブラックジャック』、1974年に『三つ目がとおる』が始まって、不死鳥のごとく蘇る。
とは言え、現在では代表作となった『ブラックジャック』も、連載開始当時は全く注目されず。
人気が出たのは50話を過ぎてからだった。
僕が今読んでいる文庫版は1冊に12話入っている。
3・4巻は25話から48話。
その話のおもしろさ、レベルの高さには驚かざるを得ない。
これなら人気が出て当然だ。
手塚氏は1928年生まれなので、当時は40代後半。
「若いやつらに負けてたまるか」と思っていたに違いない。
僕は50代後半だが、同じように思っている。

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プリティ・プリンセス2/ロイヤル・ウェディング [映画]

2月19日(火)
ゲイリー・マーシャル監督『プリティ・プリンセス2/ロイヤル・ウェディング』(2004年)WOWOWで鑑賞。

プリティ・プリンセス2/ロイヤル・ウェディング [Blu-ray]

プリティ・プリンセス2/ロイヤル・ウェディング [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
  • メディア: Blu-ray


あれから5年。
大学を卒業したミア(アン・ハサウェイ)は、女王に即位するため、ジェノヴィア国へ。
帰国祝いの舞踏会で、ハンサムな青年ニコラス(クリス・パイン)に一目惚れしてしまう。
その直後の国会で、メイブリー子爵(ジョン=リス・デイヴィス)が、女子が王位を継ぐためには結婚していることが条件、と主張。
さらに、自分の甥のデヴロー卿にも王位継承権があるので、彼に継がせろと、女王クラリス(ジュリー・アンドリュース)に迫る。
議長の裁定で、ミアが30日以内と結婚しないと、王位はデヴローに移る、と決定。
ミアは宮殿にやってきたデヴローがニコラスであると知り、怒り狂う。
そして、結婚候補者リストの中から、英国空軍のパイロットであるアンドリュー公爵(カラム・ブルー)を選び、交際を始める……。

1本目の3年後に作られた続編。
主要のメンバーがほとんど続投したので、違和感なく見られた。
クリス・パインは確かにカッコいいが、カラム・ブルーの方がいかにも王族という顔で、彼と結婚した方がうまく行くだろうなと思った。
前作ではなかった、ジュリー・アンドリュースが歌うシーンに欣喜雀躍!
1本目よりは明らかに落ちるが、それでも安心して楽しめる映画だった。

ジュリー・アンドリュースは1935年、イギリス生まれ。
本名は、ジュリア・エリザベス・ウェルズ。
1948年、ウェストエンドシアターで舞台デビュー。
1954年、『ボーイ・フレンド』でブロードウェイにデビュー。
1957年、『マイ・ファア・レディ』でトニー賞にノミネート(受賞は逃す)。
1964年、ディズニー映画『メリー・ポピンズ』で長編映画にデビューし、アカデミー主演女優賞を受賞。
1965年、『サウンド・オブ・ミュージック』で、アカデミー主演女優賞に2年連続でノミネート。
受賞は逃したが、ゴールデングローブ賞主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)を受賞。
70年代は低迷したが、1982年、『ビクター/ビクトリア』で2度目のゴールデングローブ賞主演女優賞 (ミュージカル・コメディ部門)を受賞、アカデミー主演女優賞にもノミネート(受賞は逃す)。
1997年、喉の手術の失敗で美声を失う。
2000年、大英帝国勲章を受勲し、デイム・コマンダー(司令官騎士)となる。
2002年、BBCの「100名の最も偉大な英国人」で、59位に選ばれる。
現在、83歳。
なんと、僕の父と同い年だった!
ジュリー・アンドリュースにも、ぜひとも長生きしてほしいと思う。

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偏路 [本]

2月19日(火)
本谷有希子『偏路』(新潮社)読了。

偏路

偏路

  • 作者: 本谷 有希子
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2008/09
  • メディア: 単行本


正月、四国の遍路の通り道に面した家。
木多若月が父の宗生と、父の妹の紺野和江の家にやってくる。
家には和江の息子のノリユキ、娘の知未がいる。
若月は18の時、両親の反対を無視して、役者になるために東京へ行った。
が、10年経って、自分の限界に気づき、帰宅。
そして、この家で、勢いに任せて、父に「都落ちする!」と宣言した。
が、父は怒り狂い、「それなら代わりに俺が役者を目指して東京へ行く!」と言った……。

タイトルは「遍路」ではなく、「偏路」。
「若月」たち登場人物が辿る道は、「遍路」よりちょっと「偏り」があるのだろう。
本谷氏の作品にしてはあまり陰惨でない、しかしやっぱりちょっとおかしな人々のホームドラマ。
2007年12月、紀ノ國屋ホールで初演。
巻末に、本谷氏と、本谷氏の実の父の文雄氏の親子対談が掲載されていた。
この作品の「宗生」が文雄氏を元にしていることがわかり、おもしろかった。

昨日見た芝居は、新宿御苑近くのサンモールスタジオで上演されました。
今までこの劇場に行く時は、新宿から東京メトロ丸ノ内線に乗り、新宿御苑駅で降りて、歩いていました。
が、昨日は健康のために、西武新宿駅から歩きました。
これが意外と近かった。
実感としては、1,5キロくらい。
これなら、最初から歩けばよかったと思いました。
帰りは劇場近くのブックオフに寄り、また西武新宿駅まで歩きました。
珍しく、一冊も買いませんでした。

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トランスアメリカ [映画]

2月18日(月)
ダンカン・タッカー監督『トランスアメリカ』(2005年)GYAOで鑑賞。

トランスアメリカ [DVD]

トランスアメリカ [DVD]

  • 出版社/メーカー: 松竹
  • メディア: DVD


ロサンジェルス。
ブリー(フェシリティ・ハフマン)は40歳の男性で、幼い頃から性同一性障害で苦しんできたが、今は女性として暮らしている。
性転換手術を1週間後にひかえた日、ニューヨークで息子が窃盗容疑で逮捕されたとの知らせを受ける。
ブリーが本名のスタンリーとして暮らしていた頃、恋人との間に生まれたトビー(ケヴィン・ゼガーズ)だった。
親友から手術の前に会いに行けと言われ、ブリーはニューヨークに向かう。
トビーは17歳で、荒れた生活を送っていた。
ブリーは教会から派遣されたと嘘をつき、トビーの身元引受人になる。
トビーはロサンジェルスに行き、ポルノ映画の俳優になりたいと言う。
ブリーは正体を隠して、トビーとともにレンターでロサンジェルスに向かう……。

GYAOで偶然見つけて、見てみたが、またしても当たり!
トランスジェンダーの父と、17歳の息子を主人公にしたロード・ムービーで、とてもよくできている。
驚いたことに、主役のブリーを演じているのが、フェシリティ・ハフマンという女優!
体は男で心は女という人物を、女優が演じているのだ。
しかも、手術前の放尿のシーンでは、本物そっくりのペニスまでつけている(ボカシでなくしっかり映っている!)
女優なのに、体は男で心は女という人物にちゃんと見える。
これは本当に凄いことだと思う。
脇役で、バート・ヤングが出演していて、うれしかった。
これは意外な掘り出し物。
お薦めです。

今日は新宿御苑のサンモールスタジオへ行き、DULL-COLORED POP公演『くろねこちゃんとベージュねこちゃん』を見てきました。
キャラメルボックスの小林春世が出演しているのです。
『くろねこちゃんとベージュねこちゃん』は、DULL-COLORED POPの代表作で、今回が3回目の上演。
今回は「まつり」と称して、4チームに分かれて、それぞれ別の人が演出。
小林のチームの演出は、『夏への扉』に出演してくれた百花亜希さん。
小林は「くろねこちゃん」役で大活躍していました。
上演時間は役者による前説も含めて、90分ジャスト。
1日3チームの上演で、2月18日(月)まで上演中です。

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小萩のかんざし/いとま申して3 [本]

2月18日(月)
北村薫『小萩のかんざし/いとま申して3』(文藝春秋)読了。

小萩のかんざし いとま申して3

小萩のかんざし いとま申して3

  • 作者: 北村 薫
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2018/04/06
  • メディア: 単行本


昭和8年4月、北村演彦は慶応大学文学部を卒業。
しかし、空前の不景気で就職口がなく、義姉にイヤミを言われながら、芝居を見たり、友人と会って話をしたり。
大学に行っては、尊敬する民俗学者・折口信夫の講演を聞いたり。
やがて、大学院への進学を決め、論文を書き始める。
しかし、院を出た後のことは相変わらずわからない……。

北村薫氏の本はこれが42冊目。
北村氏が父・演彦氏が遺した日記をもとに、演彦氏の青春時代を小説化した『いとま申して』シリーズの最終巻。
北村家は家計が苦しく、先祖の土地を売って生活費を得ているのに、演彦氏は鰻や寿司などの外食ばかりしている。
これがいわゆる高等遊民なのだろうか?
描写が詳細なので、昭和初期の東京の様子がよくわかる。
時代の記録として貴重な作品だと思う。

今日も昼間、芝居を見に行きます。
キャラメルボックスの劇団員が客演している芝居です。
本人から「ご招待にするので見に来てほしい」とのメールが届いたので、出かけることにしました。
ありがたいことです。
おもしろいといいなあ。
結果は次の更新で報告します。

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プリティ・プリンセス [映画]

2月17日(日)
ゲイリー・マーシャル監督『プリティ・プリンセス』(2001年)WOWOWで鑑賞。

プリティ・プリンセス [Blu-ray]

プリティ・プリンセス [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
  • メディア: Blu-ray


サンフランシスコ。
高校生のミア(アン・ハサウェイ)は、画家の母ヘレン(キャロライン・グッドール)と二人暮らし。
内気でドジで、人前で話すのが大の苦手。
ある日、父方の祖母クラリス(ジュリー・アンドリュース)がヨーロッパから訪ねてきた。
なんと、クラリスはジェノヴィア国の女王で、ミアの父親である皇太子が先月急死したと言う。
つまり、ミアはいきなりプリンセス、次期女王となったのだ。
ミアは断固拒否するが、クラリスに説得され、3週間だけプリンセス教育を受けることを承知する……。

アン・ハサウェイのデビュー作で、大ヒットした青春コメディ。
ハサウェイは当時19歳で、信じられないほどカワイイ。
が、この作品の成功は、当時66歳だったジュリー・アンドリュースのおかげ。
当時66歳だが、衰えを知らぬ美貌と、知的でキレのよい演技で、見事にヨーロッパの小国の女王を体現している。
ジェノヴィア国の保安部長で、ミアのガードマンとなるジョー(ヘクター・エリゾンド)も渋くてカッコいい。
女の子なら誰もが夢見たことがある、「普通の女の子がある日突然プリンセスになる」という物語をしっかり映画化してくれた。
男の僕からも、ありがとうと言いたい。

アン・ハサウェイは1982年、ニューヨーク市ブルックリン生まれ。
本名はアン・ジャクリーン・ハサウェイ。
父は弁護士、母は舞台女優で、3人兄弟の真ん中。
「アン・ハサウェイ」と言えば、ウィリアム・シェイクスピアの奥さんの名前と同じだが、これはもちろんわざとそうしたのだろう(母が舞台女優だし)。
2012年に俳優のアダム・シュルマンと結婚し、2016年に第一子の男児を出産。
現在36歳。
もともと好きな女優さんだったが、この映画でさらに好きになった。
応援しよう。

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飢餓海峡 [映画]

2月17日(日)
内田吐夢監督『飢餓海峡』(1964年)WOWOWで鑑賞。

飢餓海峡 [DVD]

飢餓海峡 [DVD]

  • 出版社/メーカー: TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
  • メディア: DVD


昭和22年9月20日、台風10号が北海道に上陸。
岩内の質屋で殺人・放火事件が発生。
犯人は網走刑務所を出所したばかりの男2人で、駅で待っていた知り合いの男・犬飼多吉(三國連太郎)と函館行きの汽車に乗る。
2人は現金78万円を盗んでいたが、犬飼には言わなかった。
函館では、青函連絡船が沈没し、乗客の救助が行われていた。
翌日、函館署の刑事・弓坂(伴淳三郎)は、遺体の数が乗客の数より2つ多いことに気付く。
その2人は、網走刑務所を出所した後、行方不明になっていた男たちだった。
殺人放火事件の犯人は3人で、1人は仲間を殺して、津軽海峡を渡り、本州に逃げたのか?
弓坂は小舟で海峡を渡り、犬飼の後を追った……。

水上勉の小説の映画化(僕は未読)。
昭和の映画のベスト10で必ず上位に入る名作だが、今日まで見逃していた。
3時間02分の長尺なので、見るのに覚悟が必要だった。
が、噂に違わぬ傑作で、見応え十分。
犬飼は青森の温泉宿で出会った気のいい娼婦・杉戸八重(左幸子)に34000円を渡し、去る。
八重はその金で借金を返し、東京へ行く。
娼婦をしながら、犬飼を思い続ける。
10年後、舞鶴の澱紛工場の経営者・樽見京一郎が3000万円の寄付をしたという新聞記事を見て、愕然とする。
写真の樽見が、犬飼にそっくりだったのだ。
八重は樽見の自宅を訪ねるが、樽見は自分は犬飼ではないと否定し、すがりつく八重を殺す……。
松本清張・原作、野村芳太郎・監督の映画『砂の器』に似ているが、作られたのはもちろん『飢餓海峡』の方が先。
いちずに犬飼を思う八重の姿が胸を打つ。
他に、高倉健、山本麟一、三井弘次、沢村貞子、藤田進らが出演。
お薦めです。

天気がいいので、自転車で出かけました。
自宅から5番目に近いブックオフまで行ってきました。
往復で約11キロ。
何カ所か坂があったので、かなりの運動になりました。
が、万歩計は2キロしか進まず。
まあ、カロリーはかなり消費できたと思うので、ヨシとしましょう。
では、仕事に戻ります。

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遭難、 [本]

2月17日(日)
本谷有希子『遭難、』(講談社)読了。

遭難、

遭難、

  • 作者: 本谷 有希子
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2007/05/16
  • メディア: 単行本


ある高校の職員室。
仁科京介という生徒が自殺未遂事件を起こす。
仁科の母親が職員室にやってきて、担任の江國を強く責める。
息子が悩みを相談したのに、無視したと。
しかし、実際に仁科から手紙をもらい、それを捨てたのは、学年主任の里見だった。
里見は事実を隠蔽するため、次々と嘘を重ねていく……。

鶴屋南北賞受賞作。
巻末の「あとがき」によれば、本谷氏は「性格の悪い女」が書きたかったらしい。
確かに主人公の「里見」は超がつくほどイヤな女で、彼女の言動には嫌悪感さえ感じた。
しかし、本谷氏の作品の魅力は、この人間の醜さが生み出す滑稽さで、つまり物語が「陰惨なコメディ」になっていること。
ミステリの世界で言うところの「イヤミス」と「バカミス」の融合体とでも言おうか。
27歳でこの作品を書いたとは、並々ならぬ才能の持ち主だと思う。
ちなみに、鶴屋南北賞史上最年少の受賞者。
2006年、青山円形劇場で初演されたが、僕は未見。

昨日も一昨日も、外出は昼食を買いに近所のスーパーへ出かけた1回だけ。
スマホの万歩計は昨日が0,89キロ。
一昨日が0,93キロ。
これではあまりにも運動不足だし、体重も増えてしまうので、今日は散歩に出かけようと思います。
散歩しながら構想を練る、「構想散歩」です。
部屋でパソコンに向かったままの状態で考えるより、歩きながら考える方が、進みがいい。
20年以上前に編み出した方法ですが、新作の構想は必ずやっています。
おかげで、近所で歩いたことのない道はほとんどありません。
ちょっと自慢です。


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化石少女 [本]

2月16日(土)
麻耶雄嵩『化石少女』(徳間書店)読了。
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化石少女 (徳間文庫)

化石少女 (徳間文庫)

  • 作者: 麻耶 雄嵩
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2017/11/02
  • メディア: 文庫


京都市北部にある私立高校「ペルム学園」。
桑島彰は1年で、古生物部に入部した。
部長は2年の神舞(かんぶ)まりあで、部員はまりあと彰の2人きり。
彰の父は、まりあの父が社長を務める会社の社員で、彰は幼い頃からまりあのお世話係をしてきた。
だから、古生物部に入部したのだが、部員が2人きりのため、廃部の危機に瀕していた。
生徒会長の荒子(あらこ)武伸は、著しい成果を挙げなければ廃部にすると脅す。
そんな中、新聞部の部長・福井京介が校内で何者かに殺される。
まりあは悪逆非道な生徒会の仕業に違いないと決めつけ、推理を始めるが……。

麻耶雄嵩氏の本はこれが14冊目。
これまたライトノベルのようなスタイルで、おまけに探偵役の「まりあ」の迷推理はまさにバカミス。
と思いながらも、センスのいい文章につられ、読み進めていくうちに、ラストで大どんでん返しが待っていた。
まあ、「ひょっとするとこれは」と予想していたので、驚くというより、「待ってました!」という気持ちの方が強かったが。
しかし、この逆転こそが、鬼才・麻耶雄嵩の真骨頂。
非常に満足しました。

麻耶雄嵩(まやゆたか)氏は1969年、三重県伊賀市生まれ。
本名は、堀井良彦。
京都大学工学部で、推理小説研究会に所属、
綾辻行人・法月綸太郎・島田荘司の推薦を受けて、1991年、『翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件』でデビュー。
2011年、『隻眼の少女』で日本推理作家協会賞・本格ミステリ大賞を受賞。
2015年、『さよなら神様』で二度目の本格ミステリ大賞を受賞。
2017年、『貴族探偵』がフジテレビ系でドラマ化。
寡作だが、クセのある作風から、一部のマニアから熱狂的な支持を受けている。
現時点での僕のベスト3は、
1、『隻眼の少女』(文春文庫)
2、『あぶない叔父さん』(新潮文庫)
3、『さよなら神様』(文春文庫)
まさに鬼才としか言いようがない、独特の小説を書く人。
3作ともお薦めです。

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